科学研究費助成事業(新学術領域「新海洋像:その機能と持続的利用」計画研究(2012-2017))

海洋科学との接続性を考慮した海洋ガバナンスの構築

科研費データベース

研究成果報告

1.研究の目的

本研究は、科学的検討と有機的な相互作用を実現しうる海洋ガバナンスの姿を検討するものである。平成27年度は、制度的な視点から、複数の国際条約体制における科学的知見の位置づけに関する比較検討、BBNJ条約に関する予備的調査、行政学の視点から規制評価や体制についての検討、パリ協定等に向けた政府内の実際の地球温暖化対策策定過程に基づく検討、そして政策シミュレーションを用いた実証的な検討を行った。これまでの検討の結果、体制面での特徴と、意思決定における科学的知見の位置づけについていくつかの知見が得られた。

体制面では、国際条約等において科学的機関を明示的に実行体制の一部分に位置づける事例が多くあるが、研究者等の組織に対しMOUを結んで委嘱する方法論もあり得る。国内では、審議会のほか、アドホックな部会や委員会等も同様の役割を果たしている。また、非公式な科学的知見の供給も重要な役割を果たしうる。海洋法条約のように憲章的役割を果たす枠組みでは参照事項により最新の科学的知見を反映する余地を残すことも有効である。

意思決定における科学的知見の位置づけは、科学的知見が意思決定に対しどのような影響力、拘束力を具体的に持ちうるのかについて曖昧さが残されている。また、科学的機関等の役割を、意思決定機関からの要請に基づく科学的知見の提供に限定するかどうかは選択の幅がある。また、科学的知見の反映を通じて政治的影響力を行使された結果、規制等が利害関係者に囚虜されるリスクについて十分に注意が必要である。さらに不確実性が高い状況では、順応的管理の方法論を導入することが適切な場合もある。

2.研究者報告

3.シンポジウム関係資料

4.各年度の研究成果報告

5.既発表論文(*は要パスワード)


連絡先:明治大学専門職大学院ガバナンス研究科 専任教授 松浦正浩(研究代表者)